Entry: main  << >>
山田線決断のとき

 先日の新聞を見ていると非常に興味深い記事が掲載されていた。このブログでも粘着質に追っている山田線がらみの話である。

 何でも記事によれば、JR東日本が三陸鉄道と沿線の4市町に対してJR山田線の施設を無償譲渡する打診をしているそうだ。いよいよJR東日本もデッドロックになっていた本案件を動かしに来た、ということだろうか。
 提案では、現在使用できない状態になっている施設については全てJRがJRの負担で復旧する、無償譲渡の後、数年間に関しては赤字補填も実施するとのこと。

 一見すると、いよいよチャンス到来だ、これを逃す手は無いという感じの内容に思えるのだけれど個人的には、まあ、このアイディアを考え付いた人間はかなりの策士だなと空寒い気持ちになる。
 正直なところ、これは4市町にとってはいよいよもって厳しい提案だ。将来的な運営リスク、これは人口減少による大赤字経営という事になるのだけれど、かなりの確率でこのラインにいくであろう。
 勿論、JR東日本がこれだけ破格の条件を提示していて、これだけ今まで鉄道での復旧を声高に散見できた沿線自治体としては、この提案をどうやって断る事ができるだろうか。
 つまり、JR東日本としては、これだけ破格の条件を付けてもこの段階で手放してしまった方がロスが少ないという、極めて合理的な判断に従って行っている提案であるはずで、それだけここの運営は厳しいのである。
 であるからして、将来的にランニングコストをかなりの額、沿線自治体で突っ込まなければならない事を引き受けても鉄道復旧するのかどうか。かなり見ものだ。

 運営をするのは三陸鉄道。これが希望の星になれるかどうかというところ。こちらは現在、北と南がそれぞれ復旧してこの山田線の区間の復旧を待つばかりという感じだったのだが、この提案を受け入れれば一気に北から南まで自分のところで運営をする事になる。
 勿論、山田線沿線自治体以外の沿岸部もかなりの勢いで人口減少している訳でそういう中で三陸鉄道はやってきている訳であるから、その経営のノウハウを十分に生かして譲渡された山田線部分を存分に生かして様々とやる、という手もある。
 しかしながら、下手にこの条件を飲むと一気に資産が膨れて償却損が出るからかなりの期間、経営的には赤字になる可能性もあるし、その辺を置いておいても将来的なメンテナンスフィーをどうやって稼いでいくのか、という話はある。

 思い返せば、黙ってBRTの提案に乗っていればよかった。そういうオチにならないように、利害関係者で無い私は願うばかりである。

| kulo. | 08:00 | comments(0) | - |
Comment