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埋められたガチョウ

 最近、フォアグラが食べ放題みたいな事になっているのだそうだ。偽装やらなにやらでかなりセンシティブになっている時期なのに攻め続けるというのはある意味天晴れである。

 こちらの日系トレンディの記事なのだけれど、最近フォアグラが大放出されているというもの。詳細については記事をご覧頂きたいのだけれど、じゃあ何で今までやらなかったの、という感じである。
 文章を読んでいるとちょっと吐き気がする感じの話が書いてある。つまりこういう事だ。今まで高級食材として扱われてきたのは、手間がかかる為。

 それが突然安く供給できるようになったというのには絶対に訳があるはずと思って文章を注意深く見て見ると、結果として手間がかかるのはガチョウの健康状態をよい状態で維持したままフォアグラを作るのは結構大変だと。しかし手間をかけずにフォアグラ状態に持っていく事も可能だと。この場合は、非常に悲しいものだけれども、単純にブクブク太らせればよいから、手間も時間もかからないのだそうだ。
 あきらかにこの手法を使って粗悪なフォアグラを増やしていると見て間違いないのではないか。

 結局この手法で巷にフォアグラを増やすことに一体なんの意味があるのだろうかと感じる。つまり、いわゆる今までハイソな金持ちが食べていたフォアグラが沢山食べられます、という事だったらそれは凄いが、そういう事は生産者が何かの理由で今まで高値で出していたフォアグラを安く出す事、それから中間の流通のコストが下がる事、そして末端のレストランでの取り分を捨てる事、のいずれかでしか実現しないのである。
 という事で、これ以外の手段があるとすれば、黒とは言えないが決して白ではないレベルの品質のものを出していくという事。これをやってしまうと何が起きるのか。結果として、フォアグラ、フォアグラと騒いでいたけれどもたいした事無いね、むしろ美味しくないねみたいな話になるのが関の山であろう。そして結果として、それまでのフォアグラファンも何となく失ってしまって、市場自体が縮小するという一番避けたいパターンである。

 まあ、最後に一儲けと腹をくくるのであればそれはそれだが、何とも悲しい話である。江戸の庶民がそれこそ徳川家の何か真似をして偉くなったような気分になっているだとか、そういう滑稽な姿を笑って見ている私達だが、何の事はない、金持ちの真似をしてリッチな気分になっている庶民、という意味では江戸の庶民を馬鹿に出来ないのである。

 まあ、自分が口にしているフォアグラが本当にフォアグラなのか。今や偽装しない店は一流点ではないというくらいの勢いだから、努々ご油断なきように。

| kulo. | 08:00 | comments(0) | - |
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