Entry: main  << >>
盛南の果てに得をしたのは誰だ
 いよいよ盛岡の盛南開発が今月末で終了という事だ。こちらの記事に記載されているのだが、当初の計画からかなり実態がずれてしまっている現状がある中で今後どうして行くのか。とても大きい問題だけが残った、という感じだ。

 記事中にある下記の文章がとても重要なので引用しておく。

”構想から43年、総事業費約791億円の巨費を投じた一大プロジェクトは、市役所移転計画の頓挫などの曲折を経て、かつての田園地帯を大型商業施設の集積地へと変貌させた。一方、居住人口は計画比約62%にとどまり、中心市街地の空洞化を招くなど、実像は高度経済成長時代に描いた青写真とはずれが生じている。”

 全く酷い話だ。金が無い金が無いといいながら、結局、ここで791億円も使ってしまった。しかもあんな下らない街を作るのにこれだけかけたというのか。
 結果として、盛南地区の開発をしてしまった為にロードサイド店がガンガンと進出して、盛岡も本当に全国どこにでもある街になりさがってしまった感じがある。また、あのような何処にでもあるショップが全国の生活者の生活を均一化していって、特色の無い地方が生まれていくのだろうと。
 一方では、地域の特色を、観光を新たなる産業として振興していきましょうみたいな話をしているけれども、あのような地区に喜んで集まっているような文化レベルの低い街の一体何処にわざわざ来るほどの魅力があるのだろうか。また、ああいう施設になれてしまうとどこか人間の品という部分でも画一化されるというか、低い位置で小さくまとまってしまうような、完全にイメージの話だけれどもそういう部分もある。

 つまり盛岡としては、791億円という巨額の金を使ってそういう全く持ってどこの街にもありそうな、そういう町並みを作り出しただけではなく、コンパクトシティを目指すといいながらも分散投資を進め、ただでさえ少ないリソースを広範囲にばら撒くという愚行を致している訳である。
 この話を始めると本当に疑問しか沸いてこないのだけれども、結果として、盛南開発をして誰が得をしたのか、という話はある。前述の通り、盛岡としてはすっかり都市がスプロールしてしまって、それだけでも大変なのに、加えて都市機能も中途半端に分散され、予定通りの人口増加には至らずむしろ減ってきていると。
 つまり想定された人口未満の人口でこれらのインフラを支えていく必要があり、しかもこれらの開発で土地が余らないように無理に引っ張ってきたテナントがディスカウンターである。

 本当にどうしようもないなと。結果として、ここに定住する人が絵を書いていないから、フィーさえ貰えばあとは盛岡がどうなろうが知ったことではない、という無責任な連中に食い散らかされたというような状態だ。
 本来であれば、県立美術館であるとか子供科学館であるとか、岩手公園周辺に持ってくるのが定石だろう。そうやってエリア価値を密度を上げて高めていくことで、中心市街地の価値を作っていくのが街づくりなのではないか。
 こんな、空き地にガンガンだれが使うか分からない、しかもどこの都市にでもあるようなテナントを沢山引っ張ってきて喜ぶみたいなことは、ある意味で誰にでもできる話だ。
 戻って、誰が得をしたかという話がだが、結果としてはURか。URとて国の天下り機関であるから、得だ損だという価値観の中には無い。そう思えば、何と、盛岡全員が損をして終わり、というような恐ろしい大失敗プロジェクトと評価せざるを得ないのだ。

 しかし本当にこの盛南開発だけは筋が悪すぎる。30年後、50年後、今の大人世代が、あの時は本当にアホなことをしたねと馬鹿にされる姿が目に浮かぶようだ。
増永 理彦
クリエイツかもがわ
¥ 2,100
(2012-11-09)

| kulo. | 08:00 | comments(0) | - |
Comment